
イタリアのファッションブランド、ドルチェ&ガッバーナは、同ブランドのカジュアルラインである「D&G」の洋服と皮革製品事業を、2010-2011の秋冬コレクションの販売終了をもって休止することを発表した。
「D&G」は、1996年、貿易輸入会社の三崎商事との提携で日本市場に初参入した。2001年8月には、「ドルチェ&ガッバーナ ジャパン」を設立し、高級ブランドラインである「Dolce&Gabbana」と「D&G」の両ブランドの路面店および百貨店内店舗を運営、「「ドルチェ&ガッバーナ」の日本における多角的な発展を目標としていた。
ドルチェ&ガッバーナ グループでは、2007年春夏コレクションから、「D&G」ブランドを、ブランドはそのままに市場を変えることを目的とした戦略のもと、他業者に発注していた生産を自社生産へと戻すなどの工夫を行い、ブランドイメージや品質の向上を図った。
しかし、日本市場では「D&G」のコピー品が氾濫し、インターネットなどを通して、消費者がコピー品を購入している問題などがあり、「D&G」のブランドの世界観を表現する店舗や、ブランドイメージを維持することが困難であることなどを理由に、日本での事業休止を決定した。ドルチェ&ガッバーナグループは、今後高級ラインである「Dolce&Gabbana」のみを日本で展開していくこととなる。
なお、「D&G」のフレグランス、及びサングラスなどのアイウエア、時計、アクセサリーなどの服飾雑貨については、洋服や革製品とは異なる販路を持っており、また強いニーズがあるため、日本市場でのビジネスを継続するも決定している。
一方、ドルチェ&ガッバーナグループの主幹ブランドである「Dolce&Gabbana」においては、日本は経営戦略的に重要な市場であると位置づけており、同グループではウェアと同様、バッグなどのアクセサリー類のビジネスを発展させるため、日本市場へ新たな投資を行うことが決定している。
日本での「D&G」の事業休止は2011年1月31日を予定している。
「D&G」は、主幹ブランドである「Dolce&Gabbana」より手ごろで、若い人でも違和感を持たず身に付けることができるブランドとして人気を博していたため、「D&G」撤退は残念である。
コピー品はどのブランドにおいても深刻な問題となっており、様々なブランドのコピー品がもっと増えると、今後このようなことが次々と起こりえるかもしれない。
ドルチェ&ガッバーナ